タクシーアプリ Yandex(ヤンデックス) の使い方
日本では街中で手を挙げてタクシーに乗りますが、ロシアや他の国では流しのタクシーは少なくて、
その都度タクシーを電話で呼んだり、タクシー乗り場まで行ってから利用します。
そんな中、いま世界中で広まっているのがスマホ用のタクシーアプリです。
シベリアで利用できるタクシーアプリには、Gett, Maxim、Yandex などのアプリがありますが、
ここでは現地で人気がある Yandex Taxi をご紹介します。
どこでもピンポイントで移動ができて
申し訳けないくらい安い料金
これはロシア旅行の最強アプリ!!
タクシーアプリ利用の必要条件
-
屋外でもインターネットにつながるスマホが必須
-
Googleマップなど地図アプリの操作に慣れている
-
ほんの少し英語表示は読める
-
チャレンジ精神
アプリのメリット
-
マップ上で乗車位置、行き先を指定するので会話が(ほぼ)不要
-
画面上の料金を見てから予約実行するので事前に料金が分かる
-
ドライバーは登録済みの(身元が分かる)人なので問題が起きにくい
-
忘れ物があってもログが残るので乗車したタクシーを判別できる
-
地元の人(ドライバー)と接することが出来る
アプリのデメリット
-
アプリは日本語が使えない(英語・仏語・中国語など)
-
どの程度のクルマ・ドライバーが来るのか分からない
-
スグに見つからない、なかなか来ないことがある
-
問題があったときの対応(言葉の問題)
Yendexの特徴
-
アプリ操作がシンプル
-
極東シベリアだけでなくロシアの他の市街地で利用可能
-
他のアプリよりも料金が安い
-
支払いは現金(Google Payも可)
-
渋滞などで遅延しても料金の追加が無い
-
クルマの当たりハズレが大きい(楽しめる、かも)
-
※Yandex はロシア版 Google で他にもアプリ多数
どんなタクシー?
これが Yandex車両。意外に少ないです
車両はタクシー用車両と一般車両のどちらかが来ます(選択不可)。
タクシー用車両は Yandex だけでなく, Maxim, Gett、Uber など各タクシーアプリ名の車両が来ることもあります。効率よく営業できるよう、ドライバーさんが各アプリを兼用しているみたいです。
面白いのは副業?ドライバーさんの一般車両です。リアル地元人のクルマに乗車できます。稀に商用車やくたびれたクルマも来ますが、問題ありません、大丈夫です。
多少運転の荒いドライバーもいますが、思った以上にマナーの良い方ばかりです。その辺りも楽しんでみて下さい。
※写真で数字3桁の車両ナンバーの場所もチェックしてください
兼用ドライバーさんの Uber車両が来ることも
でも多くはこんな感じの地元人のマイカーです
少し寒い土地柄、フロントガラスもヒビ割れがちです
マイカーなので途中で燃料補給も珍しくありません
「知り合いのオジサン」みたいなタクシーの一例
ドライバーさんは老若男女、真面目そうな方もいます
稀に若い女性ドライバーにも出会えます
ママも頑張ります。チャイルドシートが微笑ましい
車両クラスと料金変動
この中から車両クラスを選択する
Yandexタクシーではクルマのサイズなどに応じて車両クラスを指定出来ます。各クラス別に乗車するルートの金額が表示されるので、その時の状況に合わせて選択すると良いでしょう。車両クラスは横にスクロールして種類を確認してください。
エコノミーはフィットやヴィッツなどの小型車で一番台数が多いようです。使い古したマイカーの場合も多く、上位クラスのプリウスが来ることもあります。3人×3スーツケースは厳しいことも。
コンフォートはプリウスなどの中型車です。エコノミーよりはしっかりしたクルマが多いようです。3人×3スーツケースまでは大丈夫でしょう。
ミニバンは4人以上の場合でしょうか。搭載基準は以下のようです。
-
4人×6スーツケース
-
6人×2スーツケース
-
自転車やスキー板など
但し車両が少ないので見つからないことも。大人数の時は小型車を複数台呼ぶほうが確実かも知れません。
それから、とにかく早く乗りたい場合に The Fastest があります。
これは指定したクラスの中から一番早く来てくれるタクシーを呼んでくれます。
青印で示す車両クラス表示横の (i) を押すと、そのクラスの説明があるので、その一例を紹介しておきます。
普段はこれでよいでしょう
4人で乗るならこれですか
広くて快適でも見つからないことも
クラスを選択して最速なクルマを
価格変動
タクシー料金は同じ区間でもその時の需要状況などで変化します。なので以前に乗ったルートでも値段にかなり違いがあることも珍しくありません。中でも大雨や夜間などタクシー需要がかなり高い時は料金の色が変わり値段も高くなります。
逆に「進行方向と逆側を乗車位置にしているので、迂回する面倒を省けば安くなるよ」ような提示もあります。
夜間でエコノミー料金が割増中
乗車位置の移動で安くなる
アプリの準備
アプリを利用する前の準備について説明します。
まずスマホに"Yandex Taxi" アプリをインストールしてください。
(機種に依存するので詳細は省略します)
次に、インストールしたYandex Taxiアプリを起動して下さい。
「位置情報へのアクセス問い合わせ」
などが表示された場合は許可してください。
次にアプリとスマホの認証登録を行います。
これは日本国内でもできるので、渡航前に済ませておくことをお薦めします。画面左上のメニューアイコンをタッチしてメニューを表示してください。
表示されたメニュー上部の "Enter phone number" を押して登録する電話番号の入力に進みます。
既に登録済みの場合はその電話番号が表示されます。
ここに今すぐ SMS を受信できる電話番号を登録します。
入力は国番号に続けて先頭の"0"を省いた電話番号を入力します。
-
日本の国番号 +81
-
ロシアの国番号 +7
入力した番号を確認後、"Next"を押します。
すると SMS で6桁の数値コードが送られてきます。
そのコードをここに入力して"Next"を押して下さい。
機種によっては自動的に受信したコードが取り込まれます。
これで認証処理は終了です。
アプリでタクシーに乗る
利用手順
-
アプリマップ上で希望する乗車位置を指定
-
アプリマップ上で行き先を指定
-
利用可能な車両クラスを確認して選択する
-
料金を確認して予約実行。
※この時点で支払う現金を用意しておくと安心 -
利用するタクシーが決まるまで待つ
-
マップ上で乗車位置に向かうタクシーが表示される
-
乗車する車種、色、ナンバーなどの情報が表示される
-
到着したクルマの車種、ナンバーを確認して乗り込む
-
マップ上に目的地までの走行経路と現在の走行位置が表示される
-
怖そうなドライバーだったら話しかけて仲良くなる
-
到着したら料金を支払う
-
アプリでドライバーを評価してアプリを終了する
現地にいなくてもマップの位置を現地に合わせれば、乗車地点・行き先の指定から Order 前までの操作は試せるので、日本に居ながら概算料金を調べたり操作性の確認が可能です。現地で操作で慌てないように、事前に予習しておきましょう!!
サンプルルート
今回はウラジオストクのキタイスキー市場から中央広場前まで利用した際の流れを説明します。
<乗車位置セット>
まず、乗車位置の指定です。
アプリを起動するとマップの中央に赤い丸印が表示されます。これが乗車位置です。マップをスクロールして乗車位置を決めます。
スマホの現在位置は白い"Y"印で表示されます。マップを動かして現在位置が分からない場合は画面右下の三角矢印を押すとマップが現在位置に切り替わります。
ドライバーがクルマを停めやすいように乗車したい道路の路肩に赤丸を合わせるのが良いでしょう。
図では市場入り口(Y印)でスマホ操作をしていて、画面上側が進行方向なので、道路右側を乗車位置として指定していしています。
表示位置で乗車位置が決まれば "Where to ?" を押します。
<行き先セット1>
次に行き先を指定入力する画面が表示されます。
この画面では、乗車位置の住所、行き先入力欄、過去リスト、の順に表示されます。
●文字入力する場合
Destinetion addressに英語で行き先の住所や名称を入力するので、あらかあじめスペルを確認しておきましょう。
簡単な例として vladivostok station (ウラジオストク駅) と入力すると、関連する場所のリスト表示されるので、該当するリストをタッチします。すると[予約実行]画面に進みます。
●リストから指定する場合
過去に指定した行き先をタッチすれば、[予約実行]画面に進みます。
●マップ上で指定する場合
行き先入力欄右側の "Map" を押すとそのまま次の[行き先セット2]に切り替わるので、マップ上で行き先を指定します。行き先の場所名が分からない場合やスペルが分からないときは、マップを見ながら指定しましょう。
<行き先セット2>
マップ中央に行き先を示すマーカーが表示されます。
マップをスクロール拡大/縮小して行きたい場所付近をマップ中央に合わせて行き先マーカーを調整してください。現地付近の道路が分かる場合は降りたい場所を正確に指定するのが良いでしょう。付近の土地や道路が分からない場合は、駅、空港などの名称にマーカーを合わせます。
またマップを動かす都度、その住所と概算料金が表示されます。
行き先が決まれば Done を押して次に進みます。
<予約実行>
乗車位置と行き先の住所、車両クラス別の料金が表示されます。雨の日、渋滞している時間、深夜などは料金の色が変わり値段が高くなります。それでも普通に電話で呼び出して乗るタクシーよりも安いはずです。
この例では、約5キロ15分ほどの乗車で 167ルーブル、約280円。日本の1/5くらいと激安です。
●行き先修正
表示されている行き先住所をタッチすると、[行き先セット1]画面に戻ります。そこで"Map" を押して[行き先セット2]画面に進み、マップ上で降車位置を調整してください。行き先は何度でも修正できます。
●行き先追加
行き先の"+"を押すと、現在の行き先に続いて乗車する行き先を追加できます。数人で相乗りするときなどに便利です。
●予約実行する
行き先と料金を確認したら、 Order を押して予約実行します。
この操作までは何度でもやり直せるので、いろいろと試してみてください。
<タクシー検索>
こちらの予約リクエストが付近のドライバーに通知され、それらのタクシーがマップ上に表示されます。
ドライバーさんはマップ上で乗車位置の近くにいても、自分の行きたい予約でなければOKしないので、タクシーが決まるまで時間がかかることもあります。この間はリクエストのキャンセルも可能です。
<タクシー確定>
タクシーが決まる(ドライバーが予約受理する)と、そのタクシーの車両情報が表示されます。
(例)
-
待ち時間:1分以下(目安です)
-
色 :グレー
-
車種 :トヨタプリウス
-
ナンバー:o088ME 125
※クルマを見つけるときはにのナンバーの数字3桁(例では088)をチェックしましょう。
タクシー到着までマップ上に現在の走行位置がリアルタイムで表示されます。
ドライバーは休憩していてスグに出発できないことも多いので、クルマが動き出すまで少し時間がかかることがありますが、そのまましばらく到着を待ちましょう。
※雨や寒い日は到着するまで屋内で待つことをお薦めします。
また画面下部を上にスクロールすると予約情報が表示されます。
※ドライバーと電話やチャットもできますが、使うことは無いでしょう。
<タクシー到着>
乗車位置にタクシーが到着すると "Your driver is here" と表示されます。
(この時、"到着した" とメッセージを送ってくれるドライバーもいます)
●クルマを探す
自分で到着したタクシーを探します。マップ上のクルマがタクシーの停まっている位置です。通常は予約した乗車位置にキッチリ停まってくれますが、渋滞していたりクルマを停めにくいときは少し違う場所に停めていることもあるので、マップのクルマの位置と車種情報を見てタクシーを探してください。
クルマに詳しくなく車種が分からない場合は、色とナンバーで探しましょう。クルマが分かればドライバーもこちらを探しているので、目で合図したり手を振ったりで教えてあげましょう。
●乗り込む
まず、海外のタクシーはドアが自動で開きません(当然ですが・・・)自分でドアを開けます。海外ではタクシーの前席に乗ることも多いですが、不慣れな方、不安な方は後席へどうぞ。
スーツケースなど大きな荷物があれば、降りてきてトランクを開けてもらえます。追加料金もありません。
●乗ってから
ドライバーは行き先が分かっているので説明は不要です。
会話も無くそのまま発車します。
この例ではキタイスキー市場前の道路が混雑していてクルマを停められず、グレーのプリウスが道路の向かい側に停まっていました。
Yandexアプリで予約しましたが、Uberのタクシーが来ました。UberはYandexとは違うアプリのタクシーですが、このようにドライバーは複数のアプリを使って営業しています。またタクシー名の表記が無い普通の自家用車や商用車が来ることも多いので驚かないように(楽しんでください)。
<タクシー発車>
走り始めるとドライバーさんのスマホに表示される行き先をチェックしながらその時の道路状況に応じて自由な?ルートを走ります。自分のスマホでもタクシーの現在位置と行き先までの予定ルートと残時間が表示されます。
このあとは到着まで何もする必要はありません・・・
ドライバーさんと世間話をしたくても、英語も話さないドライバーが多いので会話はちょっと大変です。
そんなときは聞きたいことなどを Google翻訳で音声変換してロシア語で聞かせてあげましょう。
ドライバーさんのロシア語を聞き取って日本語変換すれば、なんとなく半分くらいは会話になります。
ロシアでは中国系や朝鮮系よりも日本人に対して好意をもってくれている人が多いので試してみましょう。見た目が怖そうな人にこそ話しかけてみてください。本当の人柄がわかりますよ。
<予約情報>
走行中の画面下部を上にスクロールすると、予約情報が表示されます。念のために料金を確認したい場合などはこの画面でどうぞ。
<目的地到着待ち>
目的地が近くなりました。
慌てることはありませんが、お金を用意しておきましょう。ロシアは比較的のんびりしているので、到着してから財布を出しても問題ありません。
※この例では 167ルーブルだったので、200ルーブルを用意しておきました。
<目的地到着>
"You've arrived: 料金" と表示されるので、料金を支払います。
ロシアではチップの習慣が無いので、お札を渡すとドライバーさんはキッチリ小銭でお釣りを出そうとします。ここで100ルーブル札以下のお釣りはチップとして渡しても良いでしょう。
「お釣りはいいですよ」のゼスチャーで"スバシーバ"と言えば、ドライバーさんに喜んでもらえます。(そもそも運賃が気の毒なくらい安いので)
※もちろん、小銭でキッチリ支払っても全く問題ありません。
この例では料金167ルーブル、お釣り33ルーブル(約60円)でした。
料金208ルーブルみたいな端数な場合は10ルーブルコインなどを用意して端数をチップにすれば良いでしょう。
不慣れで緊張したタクシー乗車で降車時に忘れ物をしないよう、車内を見てからドアを閉めてください。
そして降車前でも後でも構わないので、ドライバー評価をしてから、必ず Done を押して乗車を終了してください。気に入らなかった場合以外は評価5つ星で良いでしょう。
注)このアプリは Done されるのをずっと待ち続けるので、そのままにしておくとスマホのバッテリーを消耗してしまいます。ご注意!
乗車後の問い合わせ
タクシー乗車後「History画面」で過去の乗車履歴を確認できます。またそこから乗車時の問題について問い合わせが可能です。
まず画面左上のメニューを開き "History" を押すと・・・
それまでの乗車履歴として、日付、時間、乗車位置、降車位置、ルートマップなどが表示されます。
その各履歴の中の"Help"を押すと・・・
「Problems with a ride(乗車時の問題)」サポート画面が表示されます。
問題の項目は以下の通りです。
-
忘れ物
-
料金
-
ドライバー
-
クルマ
-
事故
-
緊急事項
これらの問題に対してコールセンターと問い合わせできます。
まだお世話になったことはありませんが、乗車したタクシーを限定して問い合わせできるので、ドライバーと乗客の双方にとって安心できます。
この点からも、海外ではタクシーアプリが盛んに利用されています。
まずはアプリ上で試してから現地でチャレンジしてみましょう!!